言語聴覚士になる為の学習の流れ、合格率、就職率の高い専門学校選び・紹介、言語聴覚士が活躍する病院・施設・仕事内容を紹介、様々な聴覚・言語障害の種類と症状・治療法を紹介していきます。
今、言語聴覚士を目指している人、就職選びに悩んでいる人、または、失語症などの言語・聴覚障害に苦しんでいる人の、施設・病院選びの参考になれば幸いです。
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構音障害の治療
構音障害とは、筋肉や神経の病気によって、話すために働く筋肉が動きにくくなり、ろれつが回らないような状態になる障害です。
その原因となる疾患によって、異なる症状が現れます。
主な症状は、発音したつもりの音がはっきり出ていなかったり、違った音が出ていたり、話す速さが早くなったり遅くなったりします。
運動性構音障害の治療は、言語聴覚士によるリハビリテーションを行ないます。
まず訓練を行なう前に、不自然な姿勢や筋肉の緊張を和らげてから、頭と頸を安定しながらリラックスした状態で始めます。
次に呼吸訓練をするため、正しい呼吸運動をするための姿勢を指導します。
そして、空気を急速に吸ったり、息を止めたり、息を吐いている時間を延ばす練習をします。
また、患者さんが息を吐き切った後、言語聴覚士が胸郭を圧迫することで、息を吐く時間をさらに延ばさせます。
さらに、ストローでコップに入った水を吹く練習などがあります。
話をするときに空気が鼻に漏れる状態の鼻咽腔閉鎖不全によって、開鼻音(発声が鼻に漏れる発声)となる場合、舌圧子を使って軟口蓋を上にあげて母音の発声をさせます。
また、氷刺激を与えることによって、軟口蓋の動きの感覚を戻します。
実用的な発話が成し遂げることができないときや、発話以外の方法とも併用した方が効率がよくなるときは、字を書くことができるのなら、メモ帳やホワイトボードを使ったりします。
重度の障害の場合は、簡単なジェスチャーや五十音表で指さしをします。
摂食・嚥下障害への言語聴覚士の対応
言語聴覚士は、老化や脳卒中などによって、摂食や嚥下機能など食べるための機能に障害のある方々に、その機能を回復するため、そして、食べることの楽しさを、再び感じてもらうためのリハビリテーションを行っています。
では、摂食・嚥下障害とはどんな障害なのでしょうか。
摂食とは食べることを意味し、嚥下とは飲み込む行為のことを指し、口から胃へ食べ物を送る運動のことを意味します。
そして嚥下障害とは、飲み込むときに生じる障害を意味します。
この障害は、好きな食べ物を食べる楽しみを、奪ってしまうことも問題です。
また、食事の量が不足すると脱水症状を引き起こしたり、栄養が低下する恐れもあります。
さらに、誤って飲み込んで気管に入ってしまった食べ物は、肺炎を引き起こしたり、気道をふさいでしまって窒息の危険があります。
嚥下障害のある患者さんとって、最大限に摂食・嚥下能力を向上させ、摂食能力が快適で、医学的にも安定した状態で確立することは、とても大事なことになっていきます。
その方法の1つとして、言語聴覚士が行っている、摂食・嚥下障害のためのリハビリテーションがあります。
そこで行なう間接訓練では、飲食物を使わないで行ないます。
この訓練は、摂食と嚥下に関わる器官を、よりよく働かせるために行ないます。
また、実際に食べ物を使って行なう直接訓練では、食べ物を噛み砕いたり、飲み込む練習を行ないます。
食事前の訓練として嚥下体操をすることで、口や舌が食べるための準備ができます。
嚥下体操をするようになってから、食べるときにむせることが少なくなったという方も多くいます。
このように言語聴覚士は、栄養障害や誤嚥による肺炎などを予防し、できるだけ口から食べられることを目標に、リハビリテーションを行っています。
認知症について
言語聴覚士の対象といている障害には、高次能機能障害というものがあります。
言語や記憶、思考などの高次脳機能に障害が起こることを高次機能障害といいますが、それが全般的に低下することを認知症といいます。
認知症は老化によるボケとは違います。
認知症では、物忘れや徘徊、失禁などの行動を起こし、日常生活に支障が出てきます。
その背景には、患者さん一人一人の理由があります。
だから、問題行動を無理やり直そうとするのではなく、そうなってしまった理由を理解して、適切に対応するが大切なのです。
認知症になる原因には、脳卒中で脳に損傷を負ったり、アルツハイマー病のような脳細胞が死んでいく病気などによります。
このような場合は、医学的な治療やリハビリテーションが必要です。
また、一時的に脳に異常が起こったときや、脱水によって認知症のような症状が現れることがあります。
この場合は、画像診察などで原因を明らかにし、適切な処置によって治ることが多いです。
だから、何かおかしいと思ったら、早い時期に病院で受診するようにしてください。
また、認知症の原因には生活環境も影響します。
例えば、ずっと寝たきりでいたり、社会的に孤立していたり、周囲から刺激されることがないと認知症の要因となります。
そして、その状態がそのまま放置されると、ますます認知症がひどくなる可能性があります。
そのようなことにならないように、日常生活においてなるべくたくさん会話をする、何かできる範囲で役割をもってもらうなど、できるだけ頭を働かせるようにしないといけません。
また、環境の変化にストレスを感じ、認知症を発症させることがあります。そのため、認知症のケアや予防するためには、環境を安定させストレスのない人間関係が大切です。
家族や周りの方に認知症の疑いがあったり、介護で悩んでいる方は、言語聴覚士がいる病院や保健センターに問い合わせて相談して下さい。
吃音について
コミュニケーション障害の一種に「吃音」があります。
吃音とは、一般的「どもり」と言われている障害です。
言葉がスムーズに出ず、話しにくさが特徴です。
本人は、言いたい言葉が頭では分かっているのに、それがなかなか出てこないのです。
「・・・こんにちは」のようになかなか始めの音がでない難発性、「こ、こ、こ、こんにちは」のように音を繰り返す連発性、「スーこんにちは」のような音を伸ばして話す伸発性といった発声をします。
また、なんとかことばを出そうと、しかめた顔をしたり、足踏みをして声を出すなど、瞬間的に動作をしてしまう随伴症状を伴うこともあります。
吃音が起こる年齢は2~4歳が多く、男性の方が多く発症するようです。
幼児期に吃音の症状が出た場合は、親はそれに対して叱ったり、せかして早く話させようとしないでください。
子供の話をゆっくり聞いてあげようとする優しい態度が必要なのです。
また、ことばを話すのがつらそうな人に出会ったら、その人の話そうとすることによく耳を傾けて下さい。
そして、吃音で悩んでいる人が、あなたの身の回りにも多くいるという事実を、知っていてほしいと思います。
しかし、子供が吃音のことに気づき困っているようなら、「ことばの教室」などに問い合わせてみてください。
「ことばの教室」では、言語聴覚士などの専門家が相談に乗ってくれます。
しかし、吃音を専門的に扱っている言語聴覚士はあまり多くはないようです。
ですから、今後の課題として、吃音を専門とした言語聴覚士を養成していくことが重要です。
高次脳機能障害の症状
言語聴覚士が担当する患者さんには、「高次脳機能障害」という大脳が損傷したことにより、高次脳機能に障害をもつ患者さんがいます。
高次脳機能とは、言語を使うこと、考えること、記憶すること、学習すること、感情をもつこと、などのヒトのもつ特徴的な高度な能力のことをいいます。これらに障害をもつことを「高次脳機能障害」といいます。
失語症も高次脳機能障害の一種です。
高次脳機能障害には、他にもいろいろ種類があります。
たとえば、麻痺しているわけでもないのに、手を動かすのが不自由だったり、目で見ている物が何だか理解できないことがあります。
また、右脳に損傷があると、左側のものに注意できなくて気づかないことがあります。
記憶障害においては、新しいことを覚えることができず、日常生活や仕事、勉強に差し支えます。
遂行機能障害という障害は、やる気が出なくてわがままになり、怠けたような態度をとったりします。
また、筋道の通った考え方や行動ができなくなったり、集中力に欠けたり、性格が変わってしまったりといった症状が現れます。このような症状は、性格が問題だと人格を否定されてしまうことがありますが、決してそうではありません。
高次脳機能障害の患者は、このようにさまざまな変わった症状が現れるため、自分でも症状を自覚できず、周りの人からも理解されにくいことが多いです。
また、社会的にもあまり認知されておらず、誤解を受けることもあります。だから、高次脳機能障害の症状のある方には、言語聴覚士などのリハビリチームによる専門的な訓練を受け、周囲がしっかりと理解し、支えていくことが必要なのです。
失語症とは
失語症は、言葉を理解し表現することに障害が起こります。
文字の読み書きにも同時に起こり、書いたり、聞いたり、読んだり、話したりすること、すべての動作に問題が起きてしまいます。
そのため、話せないからといって書いてもらうこともできません。
五十音表を使って、言いたいことを指差すことも困難です。
また、話していることが理解できなかったり、話が長くなると聞き誤ったり聞き漏らしていたりします。
症状には個人差がありますが、失語症ではこのような問題が起きるのです。
言語聴覚士は、このような失語症の患者さんと、どのように関わっているのでしょうか?
失語症が軽い患者さんには、ゆっくりとせかさずに話を聞きます。
聞き手の方が話の要点を理解することが大切なのです。
また、聞き間違っていないか確認するために、表現を変えていくつか質問します。
失語症が重い患者さんで、自分からうまく話せない場合は、質問を「はい」「いいえ」で答えられるものにし、それに答えてもらいます。
この場合も、表現を変えて何度も質問して、聞き間違えてないか確認します。
また、やさしい漢字の単語を使って、会話の中のキーワードを表示したり、絵を見せたりジェスチャーで表現すると理解されやすいです。
失語症になってしまった場合は、言語聴覚士による訓練を受ける必要がありますが、病院の中で行う訓練だけがリハビリではありません。
退院してからも、家庭での日常生活におけるやりとりも、効果的なリハビリになります。
失語症で困っている方やその家族の方は、あきらめずにリハビリを続けることが大切です。
言語聴覚士による嚥下障害への対応
言語聴覚士は嚥下障害のある方に対し、検査や訓練を行って援助をします。
嚥下障害は、その程度により症状はさまざまです。
障害が重度の場合は、口からまったく食べることができない方もいます。
しかし、多くの方が食事の仕方を工夫することで、なんとか口から食べることができるようになります。
嚥下障害の方にとって、最も飲み込むのが難しいのは水やお茶のような液体です。
一見それらは、飲み込みやすそうに思われますが、サラサラしていて通過するのが速いため、気管に入ってしまうことがあるのです。
だから、むせた場合に水を飲ませるのは危険です。
むせた場合は、せき払いをするように促し、収まるのを待ちます。
また、嚥下障害の方にとっては、細かく食事を刻んだものも、とても食べにくいのです。
刻んだ食事は口の中でバラバラになり、のどに残ってしまうという問題があります。
嚥下障害の方には、柔らかくてなめらかな食べ物が食べやすいです。
食事を食べやすくする工夫は、ほかにもいくつかあります。
水分を取るときにむせる場合のために、増粘剤という薬品を使うこともあります。
これは混ぜるとトロミが出てきて、食べ物を飲み込みやすくなります。
また、食べる物に気をつけていても、一口で食べる量が多ければ、誤って飲み込みやすくなります。
その方に合った量で、一口ずつゆっくりと進めていくことが大切なのです。
食事をする時の姿勢も気をつけなくてはいけません。
言語聴覚士は、患者さんの食事中の姿勢も指導します。
このように食事を食べやすくする工夫はいろいろありますが、患者さん一人一人に合った方法で食事をすることが重要です。
そのためには、専門的な検査を受けることが必要になります。
もし、嚥下障害の疑いがあるのなら、言語聴覚士のいる病院に相談してみてください。
